ブスッとむくれていたら、剛はティーポットを机上に置くと、私に向き直る。

剛に真っ直ぐ見下され、目がかち合った。


『ん?』

真剣な顔をする剛に、首を傾げたら。


「澪さんは可愛いですよ」

真顔でとんでもないことを言い放った。


『…んん?』


瞠目するしかない。

てか、理解できなくて、固まった。

いきなり何を言ってるんだ、この人は?!

き、聞き間違い…?


『私、三つ編みメガネ。

 正真正銘の地味子、おーけー?』


動揺のあまり、カタコトになっちゃったんですけど!?

剛が私のこと褒めるなんてめったに無いし!

どういう風の吹き回し?

今日はデレる日なの?

私の言葉に剛は、ふむと顎に手をやり、私をジッと見てくる。


「…地味、ですか。

 その昭和スタイル止めれば済むことですよ」

『昭和言うなぁあ!』


代那と同じことを言うなんて…!

今めちゃくちゃ気にしてるのにぃ!

でも、毒舌は健在してるみたいで安心した。


…って、安心するところ間違ってないか?

それは置いといて。


三つ編みと眼鏡取れって?

そんなんで変わるのかなぁ…。