ここには、清以外のメンバーがいる。

代那だけでなく、奏も京平も心配そうな顔をして私を見ていた。

じーっと、視線が集まる。


…いや、言い辛っ!


黙りを貫くこと数分、ドアが開いた。


入ってきたのは、清だった。

私を見るなり、「げっ、眼鏡じゃん」と失礼なことをぼやく。


『本体は人間なんですけど…?』


いくら嫌いだからといって、人を眼鏡呼ばわりするでないぞ。

清は、私に対しての悪態は変えない(無視はしなくなった)ものの説教をしてから鳴りを潜めている。

隠蔽工作も今のところ見ていないし、幾分か気替わりしたのだろうか?

清は、悪人面をして言う。


「なら、略して“あじみ”呼ぶわ」


あじみ!?

淡路澪だから?!


『やめて下さい』


私のフルネーム覚えてるのが意外だけど。

私に“更生係”以上の渾名を与えないでほしい。

清の悪戯好きなところは直りそうにない。

嫌がる私を楽しそうに眺める清は、歪みきっていると思う。

全然清らかじゃない。  

見た目だけなら納得できるのに。