「…あー、何してんだ俺…」


ほんとだよ、と私も心の中で頷く。


結局、私と京平のみがその場に残った。

頭を掻き乱す京平に、そっと近寄る。

女の子を引き寄せるどころか、追い払うなんて。

人格崩壊もいいところだ。

チャラ男が普通に優等生になった感じ。

明日、雪…いや、槍でも降るのでは??


リアルに心配しつつ、口を開く。


『…京平、助けてくれてありがとう』


とりあえず礼を告げると京平は、ばつが悪そうに頬をかいて、「別にいいよ」と呟いて。

それから、私の目をじっと見つめて質問を投げかけてきた。


「…澪ちゃんは、どうして俺を普通だって言ったの…?」


え、あのやり取り聞いてたんだ。

…何で、って言われてもなぁ。

答えは、単純でしかない。