こんなシリアスなムードじゃ言わないけどさ。


「ひっ、きょ、京平様…」


意外な人物の出現に、サッと顔を青くするボスの子とその取り巻き達。

うん、京平のオーラにすっかり怯えちゃってますね。

京平は、珍しく女の子相手に怒っているようだった。

いつもは女の子なら誰に対しても、笑顔を絶やすことなんてないのに。

おい、真っ黒いオーラが滲んでるぞ、チャラ男。


『京平』


一旦冷静になりな?と名前を呼んだら、京平は不思議そうに私を見てきた。

あれ、オーラの自覚ない?


「怪我はない?大丈夫?」


ふわ、と私の右頬に手を添えて安否を確認してきた京平。

しれっと距離近いな。


『平気平気』


途端に優しいもんだから、混乱する。

怒ってるの?怒ってないの?

気まぐれはビビるから止めてほしい。