更生係の憂鬱生活



お、おぉ、迫力が凄い。


「アンタ、京平様相手に調子乗ってんじゃないわよ」

「地味でブスのくせに!」

「京平様は私達にとって神様みたいな存在なんだから!」

「目障りなんだよ!」


まさに、罵詈雑言。

煩くて耳がヤラれそうだ。

寄ってたかって、わぁわぁ叫ばれる。


ー…“神様”?


沢山棘を浴びながら、その中で引っ掛かったワード。


ー「じゃあ、一生愛せばいいの?」


完璧に見える笑顔や愛嬌にも、必ず綻びはあるはずだ。

それを、私は知っている。


『…違う、京平は神様なんかじゃない。

 京平だって…、普通に悩んで苦しむ一人の人間だよ』


気付いたら、言葉が先に出ていた。

火に油を注ぐようなことだとは分かっていた。

大爆発が起きても不思議ではない。

けど、京平が普通の人だと言ったことに後悔はなかった。