更生係の憂鬱生活



切なく、苦しげな一言に絶句する。


どうした、急にポエマーになっているぞ。

見てはいけない一面を知ってしまった感…。

呆然としている私を見て、ハッとしたらしい京平は、ぎこちなく笑みを作った。


「…何でもない。

 じゃあ行くわ、バイバイ」

『え、京平…』


言いかける私を、京平は待たなかった。

本当に何でもなかったかのように去っていく京平を見送る。


数分固まったものの、授業に遅れると不味いから歩き出した。

歩きながらも、頭を支配するのはさっきの出来事のみ。


…京平のあんな表情、初めて見た。

私が知ってる京平は、いつも可愛い子や美女に囲まれて、あははうふふと楽しそうに喋っている姿や、BLAZEの皆とふざけてる姿だけだった。

…そんな京平でも、辛そうな顔するなんて。



ー…気付かされた、完璧な笑顔の裏。