最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「神々に神菜を任せるのは気に食わないけど……草薙から離せるんだったらなんでもいい。」

 草薙に何をされたのかは、分からない。

 だけど神々の様子から、聞かないほうが良いって理解した。

 なら僕は、大人しくしていたほうが良い。

 もう余計な事はしないって、決めたんだから。

「……そうか。」

 神々は相変わらず愛想が悪いし、そう言うとさっさと出て行ってしまった。

 噂に聞く通り、神菜の事になると熱が入る。だけどそれ以外は無気力。

 でも神々は心身ともに優れているから、僕に勝ち目はないに等しい。

 諦めるつもりは、全くないけど。

 パタンと閉められた扉を見つめてから、僕は空衣の言葉を聞いた。

「どうしてあそこで神々を解放したの?もう少しで、もう少しで創と神菜の関係性が知れたのに。」

「……知るのがそんなに、大事なの?」

 空衣を見ていると、少し前の自分を見ている気分になる。

 そう言えば僕も、神菜に諭される前はこんなのだったなぁ……。

 神菜以外はどうでもよくて、神菜のこととなると何でもする。