最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「行かないで、くださいっ……。」

 か細い声で訴えるように言った神菜は、その直後起き上がって俺に抱き着いてきた。

 これ以上ない、強い力で。

 神菜は女だから力こそ弱いが、破壊力は凄まじい。

 可愛すぎる……だが、そう言われても……。

「さっきの怖かっただろ?なら、俺がいないないほうが良いはずなんじゃないのか。」

「嫌です……っ!一緒に、いてください……。」

 正直な気持ちを言ってみても、神菜は抱き着いてくるばかり。

 まさかここまで願われるなんて、考えなかった。

 そのせいで、まとまった思考ができなくなる。

 それでも……神菜の気持ちを優先させてやりたい。

「分かった。俺はここにいるから、大丈夫だ。」

「……はい。」

 可愛い……。

 俺の言葉に素直に返事した神菜が可愛すぎて、お手上げ状態になる。

 この状況で平常心を保てというのは苦痛しかないが、神菜を怯えさせるわけにはいかない。

 あいつみたいなヘマ、絶対にできない。

 これまで草薙は、厄介な奴だと思っていたが……その言葉を撤回する。