最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 理由は分からない。どうして起きているか、見当もつかない。

 いきなり喧嘩が起きるなんて……どういう事?

 そう考えたけど、一つだけ原因らしきものは一応分かっている。

「分かりませんが……邪気魔力が暴走している事が原因だと考えています。」

《どういう事かね?邪気は神菜さんがどうにかしてくれているんだろう?》

 邪気は理事長の言う通り、私が浄化している。

 だけど最近は大きな邪気がなかった。

 ……意図的に消されているように。

「浄化はしています。だから今回の騒動は、突発的な邪気魔力だと考えています。一刻も早く、解決させるのでもうしばらく時間をください。」

 冗談抜きで今回は……早く対処しないと、取り返しがつかなくなる。

 解決できる保証なんてどこにもない。取り返しがつかなくなるというのも、憶測でしかない。

 それでも早く解決させないと……いけない気がしてきた。

《分かっている。何かあればいつでも理事長室に来てくれ。》

「はい。ありがとうございます。》

 重圧的な理事長の声に返事をして、電話をこちらから切る。