最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 付き合ってもないのにこんな事、しないほうが良い。

 神菜にとって俺は、兄貴か先輩としか思われてないはずだ。

 恋愛対象なんかに、見られていないはず。

 ……なのに、今すぐ自分のものにしたくてたまらない。

「ひゃっ……。」

 神菜の首元に唇を押し当て、軽いキスをする。

 流石に印までつけたら、束縛が酷い奴だと思われそうだ。

 制御なんてとっくにできなくなっていて、神菜を壊してしまいそうになる。

「あらた、さんっ……!」

 その時、神菜の怯えたような震え声が聞こえた。

 ……まずい、やってしまった。

 それでようやくはっと我に返り、自分が何をしたのかに気付いた。

 目の前には瞳いっぱいに涙を浮かべ、怯えている様子の神菜がいる。

 途端に後悔に襲われ、急いで神菜から離れようとした。

 何、やってんだよ……俺。

 これじゃあやってる事が、草薙と変わらない。

 いくら他の男に神菜が触られたって言ったって、俺がどうこうできる立場じゃないのに。

 立ち上がろうとソファから降りようとすると、何故かぎゅっと神菜に服の袖を掴まれた。