最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 気にする必要はないと思うけど、つい頭の中に出てくる。

「翔葉さん、あの……新さんの用事って聞いてますか?」

 翔葉さんも知らないかもしれないけど、小さな可能性を持って尋ねることにした。

 もしかしたら知ってるかも……!

 でも翔葉さんも知らないらしく、あっけなく首を左右に振られてしまった。

「いや、聞いてない。俺だって今日突然言われたからな。」

 無表情でそう言い放った翔葉さんはやっぱりと言うか、少しだけ嬉しそうに見える。

 無表情翔葉さんが顔に出るくらいの嬉しい事が、やっぱりあったのかな。

 そう思いながら私も嬉しくなって、足取りが軽くなるのを感じた。



 学校についても新さんと会う事はなく、教室についてしまった。

 帰りは、会えるかな……。

 いつも送って一緒にご飯を食べてくれるから、大丈夫だと思いたい。

 ……教室の中、なんだか騒がしい?

 教室に入る前に違和感を感じ、扉を開ける手を止める。

 中から騒がしく音が聞こえてきていて、嫌な予感が溢れ返って私の中に渦巻く。