最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 この国には、私以外の魔術師はいないらしいからなのかな……。

 うーんと考え込みながら、学園までの道のりを歩く。

 その間も翔葉さんは私に、信じられないといった視線を向けてきていた。

「どうしたらこんな無自覚が天然でできるんだろうな……。」

 ……な、何を言ってるのか全然分からない。

 私は無自覚でもないし、天然ってわけでもない。

 お母さんから生まれてきたんだから、私は人工なんじゃないの……?

 やっぱり訳が分からなくて、翔葉さんの言葉を頭の中でぐるぐると巡らせる。

 でも途中から本当によく分からなくなってきて、一旦考えるのをやめた。

 か、考えないほうが良い事もあるよねっ……。

 そう思う事にして、自分でも警戒しながら学校へと歩みを進めた。

 翔葉さんがいるから警戒する事はないかもしれないけど、自分のことくらい自分で守らないと。

 あんまり翔葉さんに負担をかけるわけにはいかないし……。

 だけどその時にふと、ある疑問が頭の中に浮かんできた。

 あれ?結局新さんの用事って何なんだろう?