最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ～最強さんの最大級溺愛は留まらない～

　それと同時に翔葉さんは、静かな口調で私に言った。

「狙われる事をもっと自覚したほうが良い。お前は魅力的過ぎる女だ。」

「み、魅力的……？そんなわけないですよ。」

　私に魅力なんかあるはずない。

　そんなお世辞言われたって、ただ虚しくなるだけですよ……。

　自分のことは自分がよく分かってるんだから、わざわざお世辞を言わなくたって……。

　悲しくなりながらもそう言い、ため息を大きく吐き出す。

　なのに翔葉さんは、あろうことか私の言葉を否定してきた。

「そんなわけないだろう。お前は元宮神菜としてめちゃくちゃに有名じゃないか。地味子姿でもいろんな奴から好かれて……自覚ないとか嘘だろ……。」

「ゆ、有名……？自覚……？」

　確かに私が探されてるって事は、一応だけど知っている。

　でも有名になっているかと言われれば、そういうわけでもない気がしている。

　魔術師を味方につければ恩恵が受けられるって話は理解しているけど、どうして私なんかを探すんだろう。

　私じゃなくても、他の魔術師でも良い気がする……。