最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 息を整えながら、翔葉さんに何とか追いつく。

 だけどきっと、翔葉さんは何とも思ってないだろうなぁ……。

 あんまり翔葉さんと言葉を交わさないけど、何となくそう分かっていた。

 冷徹な人……ってわけじゃなくて、ただ単に人との関わりが上手くないみたい。

 翔葉さんって完璧に何でもこなしそうだけど、不器用な人かもしれない。

 そう思ってふふっと笑みを漏らすと、翔葉さんにこう言われた。

「なぁ……お前、新のこと好きだろ。」

「へっ……!?」

 な、何でバレてるのっ……!?

 自分から言ったわけじゃないのに、図星を突いてきた翔葉さん。

 思わず大きな声を出してしまったから、急いで口を噤む。

 で、でもどうしてっ……!?

 肯定も否定もできずに口をどうしようもなく動かす。

 翔葉さんはそんな私の意図を汲み取ったのか、全てを見通したように口にした。

「ただ確認したかっただけだから答えなくていい。別にお前が誰を好きになろうが良いんだ。……だが。」

 だ、だが……?

 その言葉に続く言葉が気になって、首を傾げる。