最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 疾風君が慌てた様子で尋ねてきてくれて、こくりと小さく頷く。

 体調は大丈夫だけど、さっきのは一体……。

 また分からない事が増えて、どうしようもなくため息を吐きたくなる。

 さっきの電流と言い、体の力と言い……私の体、どうしちゃったの?

 ただの体調不良……ってわけじゃなさそう。

 まるで魔力が勝手に暴れているような感覚があったから、もしかしてまさか――。

「……そんなわけ、ない。」

 小さく言葉を零し、憶測を立てないようにする。

 だってもし本当に……“暴走”だったら、どうしようもない。

 考えないように、しなきゃ……。

「私は大丈夫ですっ。さっきのはただのめまいなので……気にしないでください。」

 こうでも言っておかないと、また余計な心配をかける。

 にこっと作り貼った笑みでそう言い放ち、ゆっくりと息を吐く。

 もうこれ以上魔力を勝手にさせないように、もっと自制しないと。

「今日は早退するか?あまり顔色が良くないように見えるが……」

「大丈夫です。本当にめまいだけなので……それにもう治りましたしっ。」