最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 そんな事を思って、何事もないかのようにAnarchy室に入る。

 中にはいつものように新さんたちが待っててくれていて、私は駆け足気味で定位置に座った。

 隣に新さんも座り、お弁当を開こうと動く。

 ……え?

 だけどそれと同時のタイミングで、急に全身の体の力が抜ける感覚に陥った。

 未開封のお弁当を床に落としてしまい、倒れこむようにして新さんにもたれる。

「栞……?どうした……っ!」

「はぁ……っ、うっ。」

 力が、入らない……。

 新さんの呼びかけに反応する元気もなく、息を整える余裕もない。

 さっきもそうだったけど、もしかしてまた……。

 一時期体調を崩していた時期があったけど、それの再来……?

 でもあれは、新さんがどうにかしてくれたはず。

 今更再発するなんて、どうなってるの……?

 働かない頭で考えながら、頑張ってゆっくりと体を起こす。

 一瞬だったのか、体の中の力はもう回復していた。

「栞っ、大丈夫かっ!?」

「……うん、多分大丈夫……だと思う。」