「夕弥さん……。」

 俺だって、何が何だか分かってない。分からないままなんだ。

 それでも今は、俺がしっかりしなきゃならない。

 栞が戻ってきてくれれば、何とかなりそうだけど……そう簡単には行きそうにない。

 栞は真面目っ子。長期間生徒会を休んでいるのなら、何かがあったのに間違いはない。

 多分天たちは、その何かを知っているんだろう。

 それを察する事は容易だったけど、生憎人の心は読めないから困ったものだ。

「僕も手伝える事なら何でもしますから、一人で抱え込まないでください。夕弥さん、すぐに一人で片付けようとするんですから。」

「そうだね、ありがと。」

 都真は年下なのに、年上よりもしっかりしてる。

 本当にこんな優しい後輩がいて、良かったよ。

 都真も癒し枠だから、今の問題が片付くまでは癒してもらおう。

 険悪な雰囲気が残っている生徒会だけど、何とか修復しないといけない。

 副会長……Fortの副代表の意地を見せるか。

 今の状態から抜け出す為に、俺は心の中でこっそりと決意を固めた。