だったら天には答える義務が、あるんじゃないの?

 俺たちは何も知らないんだから、教えるくらい……悪い事じゃないはず。

 なのに天はうっすらと笑みを浮かべながら、笑っていない瞳を向けてきた。

「言えるわけないでしょ?夕弥にも都真にも……関係ない。さっきの事はもう忘れて、ただイライラしちゃっただけだから。」

「おい、天っ……!」

「天さんっ!」

 天は自分の言いたい事だけを言って、生徒会室を出て行った。

 何なんだよ、一体……。

 天は答えてくれないし、創はあてにならないし……どうすればいいって言うんだよ。

「夕弥さん、このままじゃ生徒会が崩壊してしまいます……っ。」

 いろんな事が重なりすぎて舌打ちをしそうになった瞬間、震えた声で訴えてきた都真の姿が視界の隅に映った。

 その瞬間、取り乱しそうになった気持ちが落ち着く感覚に苛まれる。

 ……そうだよな。俺が取り乱してちゃ、ダメだよな。

 都真は本当に泣き出してしまいそうで、瞬時に喝を入れられた気になる。

 都真にこんな大きな事態を、背負わせるわけにはいかない。

「分かってる。俺が何とかするから、都真は気にしないで。」