最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「創、やめといたほうがいい……。ここら一帯、吹き飛んじゃう……。」

 魔術を発動させようとしたと同時に、世妖が創の背後に回った。

 あぁ……世妖、あの魔術かけるのかな。

 そのままある魔術をかけ、創は一瞬の内に意識を飛ばしてしまった。

 気を失った、のほうが正しいと思うけど……まぁどっちでもいいや。

 世妖は揉め事が起きた時に役立つ魔術をいくつか保有している。

 今の強制的に意識を飛ばさせる魔術もそうだし、記憶を抹消させる事もできる。

 敵には絶対に回したくない、ある意味危険な子。

 世妖は魔族じゃなくて人外だけど、魔術が専門。

 だから敵対しそうな俺たちとも仲が良いし、俺だって世妖を頼りにしている。

「……っと。創はもう連れて帰るから、生徒会のほうよろしく……。また揉め事が起きてもダメだし、今日は帰らせる……。」

「世妖、任せたよ。」

 よっこらせと言いながら創を担いだ世妖は、眠たそうにしながらも生徒会室を後にした。

 良かった……世妖が立ち回ってくれて。

 俺的には創を連れ帰らせたほうが良いと思ってたし、世妖がいないと途方に暮れていた。