最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 静かな口調で告げてくる天。

 言葉を言うたびに手に力がこもり、腕に痛みが走りそうになる。

 天と同じく天界族だから、大丈夫だけどね。

 それにしても……天に俺の気持ちがバレてるなんて、全く思ってなかった。

 でもバレたとしても、ライバルの熱が帯びるだけだから良いんだけど。

 ま、面倒事にはなりそうかな。

「夕弥さんまで栞さんを好きになったんですか?好きにならないでって言ったはずですよ?どうして皆さん、栞さんに恋心を抱くんですか。」

「……創、痛いんだけど。」

 次々と言葉を繋げていく創に、苦笑いをしながら反論する。

 今度は創に胸倉を掴まれて、今にも俺をボコしそう。

 創、どこにこんな力が……。

 見た目ひ弱な創のことだから、力なら勝てると思ったけど……それは無理そうだ。

 だけど創に言われる筋合いなんて、これっぽっちもないはず。

「創が言えた事じゃないでしょ?それに栞を好きになろうが創には関係にない。何を焦ってるのか知らないけど、君は少し暴走しすぎ――」

「焦ってなんか、ない……っ。」