最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「分かってるなら何で、栞を敵にあげちゃうの?それでも栞が好きなの?」

「これは僕の問題です。いくら会長であっても、あなたに口出しされたくありません。」

 天も創もヒートアップして、このままだと収拾がつかなくなりそう。

 二人は栞が生徒会に来なくなった理由を……知っていると分かる。

 知らなかったらここまで言い合いできないだろうし、そう考えつくのが妥当。

 でも今は、そんな呑気に考えてる場合じゃない。

「二人とも、喧嘩は止めて。ここで大乱闘起こされても困るんだけど。」

 とりあえず二人の喧嘩を止める為に、立ち上がって声をかける。

 今の状態だと、本当に魔術戦闘が起こりそうで怖い。

 しかも二人とも魔術の腕はいいから、戦闘の後片付けが面倒。

 それに、学校内で問題を起こしてほしくない。大体の尻拭いは俺がしてるんだから。

 ため息を吐きながら二人の間に割って入ると、天が俺の腕を掴んだ。

「夕弥はどうして止めるの?創は敵に塩を送る以上の事をしたんだ。なのにここで止めるなんて、それでも夕弥は栞のことを想ってるの?」