最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「栞先輩、どうして来てくれないんでしょうか……。」

 そう考えた時、都真が思っていた事を口にした。

 その言葉に、俺も心の中で大きく頷く。

 創が栞に好意を寄せているのは周知の事実だし、それ以外の結論がない。

 その上愛が重たすぎていわゆるヤンデレだから、余計にイライラしているんだろうな。

 創に同情する気はないけど、都真の言葉には同意したい。

 どうして来なくなったかは不明だけど、できれば知りたい。

 ……俺は、栞を好きなただの男だから。

 だけどそう思ったと同時に、天が聞いた事ないくらいの低い声で言葉を発した。

「創、どうして栞が来なくなったのか……知ってるでしょ?さっさとこの事態を片付けて、栞を神々から取り返さないといけないのに。」

 静かで淡々と言う天に、一種の違和感を覚える。

 天がここまで怒りを露わにするのは……初めてだ。

 天は他人の為に怒るほど、情がない。

 だから今、こんなに怒っている天を見て驚きに似た感情を抱いた。

「あなたに言われる筋合いはありません。僕だって分かってますよ、それくらい。」