最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 それでもこんな表情をしてるって事は、疾風が心を読ませてくれないんだろう。

 僕もよく仕組みは分からないけど、相当固い決意や悩みがある時は心が読めないらしい。

 きっと今、その状態なんだと思う。

 つまり、それくらい疾風にとっては大事だって事が分かる。

 でもそんなに悩むのって……何があったのか、気になって仕方ない。

「疾風、何悩んでるの~?」

 僕たちを呼んだのは疾風なんだから、悩みくらい打ち明ければいいと思うけど。

 こういう時疾風って神経質になるから、少し扱いにくいかも。

 疾風のことだから、きっと……。

「しーちゃんのこと、でしょ?」

「……分かってたのか。」

 僕の言葉に、疾風は苦笑いをふっと浮かべた。

 やっぱり、ね……。

 疾風がこんな風に悩むなんてらしくない。

 悩む事があるのなら……それはしーちゃんが関係してるって考えたんだ。

 まさか本当に当たってるなんて、思ってなかったけどね。

「えっ!?栞がどうしたのっ!?」

 明李君は何が何だか分からないといったように、焦った表情をしている。