でも、新さんが僕たちを頼ってくれたのは嬉しかった。

 それくらい信頼されてるって事だし、信用してくれているって事だから。

「なぁ……ちょっと話したいことがあるから、後で俺の部屋に来てくれないか?」

 話したい事……?

 不思議に感じて疾風のほうを見ると、いつにも増して神妙な面持ちをしていた。

 眉間に皺を寄せて、悩んでいるっていうか困っているって感じ。

 疾風がこんな顔をしてるの、滅多にない。

 何を示しているのかなんて分かりっこないけど、疾風の言葉に同意する他ない。

「僕は良いよ~。」

「僕も大丈夫。後で疾風の部屋行くねっ。」

 僕に続いて明李君も同意する。

 疾風はその言葉に安心したのか、少しだけ表情を柔らかくした。

「それじゃ、後で俺の部屋に来てくれ。」

「は~い。」

 疾風の言葉に返事をし、一旦着替えようと自分の部屋に戻る。

 疾風、何かあったのかな……。

 今まであんな顔見せた事なかったのに……どうしたんだろう。

 うーんと頭を悩ませてみても、思いつく事は何もない。