しーちゃんの護衛を任されたのは、ほんの数日前。

『栞の護衛をお前たちに頼みたい。』

 僕と疾風、明李君に告げられたその言葉。

 いきなりAnarchy室に召集かけられたと思ったら、そう言われるとは。

 でも僕は、しーちゃんの護衛くらいいくらでもできる。

 ……だってもう、しーちゃんを好きになっちゃったから。

 新さんがAnarchy以外には牽制をしているおかげで、しーちゃんと迂闊に接触しようとする人はいない。

 それは多分、新さんがAnarchyの事を信頼しているから。

 確信をもっては言えないけど、合っているとは思う。

 だけどそれだけなら、良かった。

 僕は次に新さんが発した言葉に、驚きを隠すことができなかった。

『栞と草薙創は絶対に接触させるな。何があっても、だ。』

 その時の新さんの表情は……鬼のように険しい顔をしていた。

 ……っ。

 背中に戦慄が走り、一瞬動く事ができなくなった。

 それもそのはず。新さんがこんなに怖い顔をしているところを、僕は見た事がなかったから。