最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「そろそろ行かないと新さんに叱られそうだな。……行くぞ、栞。」

 う……これって、もう帰る流れだよね。

 正直仕事をしてしまいたい気持ちでいっぱいだけど、これじゃあ身動きが取れない。

 とりあえず、使い魔にパトロールだけさせておこう。

「わ、分かったっ。」

 一人でそう完結させて、疾風君の言葉に大きく頷いた。



 三人と昇降口まで言って、新さんと合流する。

「お疲れ、栞。今日は何もなかったか?」

 単刀直入に尋ねてきた新さんに頷き、笑顔を見せる。

 よっぽど心配だったのか、新さんは眉の端をこれでもかってほど下げていた。

 あはは……そんなに心配しなくても、私は大丈夫なのに。

 新さんは過保護と言うか、心配性と言うか……。

 一人でそんな事を考えながら、新さんと帰ろうと靴を履き替える。

「三人ともお疲れ。明日もよろしくな。」

「「「はいっ!」」」

 その時新さんが三人にそう言っていて、三人とも元気な返事をしている。

 その様子を見て、私は無意識に頬を緩ませた。