最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「あら、たさん……っ。こわ、かった……っ。」

 神菜は落ち着くことができないのか、ぎゅっと俺を抱きしめ続けている。

 ……っ、本当にヤバいな。

 好きな女がこんなに傷ついているのに、どうしても感情が高ぶってしまう。

 はぁ……俺も落ち着かなければいけないな。

「大丈夫だから、泣き止んでくれ。俺が傍にいるから。」

 お前の泣き顔は、見たくないんだ。

 お前が悲しそうにしているのは、辛すぎるんだ。

 そう言葉にすると、神菜は少し落ち着きを取り戻したように息を吐いた。

 自分で軽く涙を拭い、俺からゆっくりと離れる。

「ご、ごめんなさい……。私、また迷惑かけちゃって……。」

「……迷惑じゃないって、いつも言ってるだろ?」

 お前の思う迷惑は、迷惑なんかじゃないんだ。

 むしろこうやって、もっと俺を頼って甘えて……俺を好きになってくれ。

 俺はもう、お前しか見えないくらいに溺れてる。

 神菜だけが……大切なんだ。

「そう、なんですか……?新さんは私のこと、面倒だなって思ってませんか……?」