最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 実は、私たちの斜め後ろの物陰に……ガタイの良い男の人がいる。

 さっきからそれが気になって気になって、仕方がなかった。

 恐る恐る、その人に気付かれないようにみんなに聞いてみる。

 だけどみんなは、何でもないといったように平然と教えてくれた。

「あ~、あの人はAnarchyの特攻隊の人だと思うよ~。多分、しーちゃんを守る為に新さんが派遣したんじゃないかな~?」

「と、特攻隊っ……!?」

 ま、まさかそんな凄い人だったなんて……。

 確かにあれだけ体つきが良いのなら、護衛としては安心かもしれない。

 でもそこまで徹底しなくても、良い気がするんだけどなぁ……。

「もしかして栞、申し訳ないとか思ってる?」

 ため息を吐きかけて苦笑いを零したとき、明李君に図星を突かれてしまった。

 うっ……どうしてバレたんだろう……。

 明李君の言う通り、どうしても申し訳なく思ってしまう。

 だってあの人は、私なんかの為に時間を割いてくれている。

 ううん、あの人だけじゃなくて明李君たちだって……。