最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 まぁいい。今はさっきの状況を聞かないと。

 神菜を抱きしめたままソファに座り、優しく頭を撫でる。

 小さい頭を撫でていると、罪悪感が顕著に表れる気がした。

 抱きしめていたら分かるが、神菜は驚くほど小さい。

 こんな体で大変な事を背負っていたと考えると、後悔ばかりがこみ上げてくる。

 さっきの状況、どうなってあーなったのかは分からない……が。

 もの凄く、イラついた。

 あんなに近い距離で神菜に強引に触れていた草薙に苛立ちが募り、舌打ちをしそうになる。

 あいつ、本気で殺してやろうか……。

 神菜は大分落ち着いてきたらしいが、まだ涙を溢れさせている。

 一生懸命手で擦っている姿に、また胸が痛んだ。

「腫れるから擦るなって、何度も言ってるだろ。」

 できるだけの優しい声で言って、擦っている手を止めさせる。

 大きな瞳からは大きな涙の粒がしきりに零れていて、また草薙への怒りが増す。

 絶対にあいつだけは、許さない。

 神菜をこんなに傷つけて泣かせて……好きな女に、あいつは何をやっているんだ。