最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 私がみんなを守らなきゃいけないのに、こんな事で躓くなんて……って思っていた。

 だから本当の事を言うと、みんなとはこれ以上関わっちゃダメだとけじめをつけようとした。

 でも私は、思っていたよりも弱かった。

 幼い頃から何にも成長していない、意気地なしの自分のまま。

 自分でももっと鍛えなきゃって分かっている。

 ……だけど今は、みんなを頼っても良いんだよね?

 もちろん、公の場に出る事がしばしばある私がそんなのはいけないんだと知っている。

 政府のお偉いさんたちに知られちゃったら、契約を切られそう。

 契約を切られたら、みんなに会えなくなるのかな……。

 ふっと、そう当たり前の考えが脳裏に浮かぶ。

 そうなったら嫌だけど、契約を切られるのはそういう事。

 嫌、だな……。

 泣きそうになったけど、皆さんの前で泣くわけにはいかない。

 泣いちゃダメだから、今は笑顔でいなきゃ。

 考え事をしていたから俯き気味になっちゃっていた態勢を直し、もう一度笑みを作る。

「えへへっ、私皆さんに会えて幸せですっ!」