最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 特に、創さんには……。

 だからこうやってしてもらうのを悪いと思う反面、嬉しくもある。

「どうした栞、考え事か?」

「な、何でもありませんっ……!」

 新さんに尋ねられ、慌てて首を横に振る。

 考え事してたからあながち間違いじゃないけど、口に出すのは恥ずかしい。

 疾風君たちに至っては、私の正体をまだ知らないわけだし……。

 本当は言おうかって悩んでいるけど、自分から言うほど勇気なんてない。

 騙して一緒にいるから、言わなきゃならないと思う。

 だけどこれ以上元宮神菜という存在がいるとバレたら、収拾がつかなくなる。

 それが例え、Anarchyでも。

 だからこれ以上は……バレないようにしないと。

 それでもちゃんとお礼は言わなきゃだよね。

「皆さん……私のことを守ってくれて、ありがとうございますっ!」

 大きな声でそう言って、にこっと笑顔を浮かべる。

 感謝しても、感謝し足りない。

 私は魔術師だから、本当はみんなを守る立場にある。

 だからこそ最初は、守られる事に抵抗があった。