今日は、学校がない日曜日。

 そして……新さんとの約束の日。

 朝から新さんのお部屋にお邪魔させてもらって、休日をのんびり過ごしている。

『俺に甘やかされててくれ。』

 まさか、そんな事を言われるとは考えてなかった。

 だけど私も、新さんにめいっぱい甘えたかった。

 こんなの、お詫びじゃなくてご褒美ですよっ……。

 そう言いたい気持ちをぐっとこらえて、絶賛新さんの腕の中に閉じ込められている。

 新さんの体温は比較的高く、温かいから凄く安心できる。

 でも新さんは、体温だけじゃなくて心まであったかい人。

 今だから思えるけど、新さんと出会えたのは運命なのかもしれない。

「もし私が、ピアスを見つけてなかったら……新さんと出会う事もなかったですよね。」

 思った事をそのまま口に出し、ふふっと笑みを零す。

 私があの場でピアスを拾わなければ、私が月魔城学園に来なければ……新さんには会わなかったと思う。

 それ以前に、私が魔術師でなければ月魔城学園に来なかったと思っている。