最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 ちょ、ちょっと苦しいけど……この苦しさが心地いい。

 あったかい……この体温を、離したくない。

 ぼんやり思いながら、私は新さんに頬をすり寄せた。



 ……準備、できた。

 鏡の前で自分の姿を確認し、両手に拳を作る。

 鏡に映っているのはいつもの地味子ではなく、本来の姿。

 肩までの薄桃色と白色の髪の毛に、カラコンを付けていない薄紫色の瞳。

 眼鏡も外し、本当に“元宮神菜”として今日から通う。

 騒動の後、約束通り鈴香さんから契約解除通知書が送られてきた。

 そのおかげで私は政府専属の魔術師ではなくなり、普通の人間として生きる事ができるようになった。

 魔術師としての肩書きは持っているけど、きっと使う事はない。

 そしてその影響で、学園での任務もなくなった。

 理事長からは《任務はもうしなくていい。》とだけ連絡が来たから、詳しい事は分からない。

 でも晴れて、私は普通の人間の女の子として学園に通える。

 学園に通う為のお金も新さんのお家が負担してくれるらしく、もうどうやって感謝を伝えればいいのか……。