「新さん、手伝ってもらってありがとうございました!」

 今日、入寮の準備が全て終わった。

 準備自体は一週間前からしていて、荷物を運んで自分の部屋が今日できた。

 私の部屋は新さんのお隣の部屋で、Anarchy寮の最上階の部屋。

 最上階なんて良いのかなと躊躇ったけど、新さんが手配をしてくれたらしい。

 最初こそ申し訳なくて、新さんとたくさん交渉した。

 でも結局、新さんに説得させられて私も納得した。

『俺がお前と隣が良いんだ。これは俺のわがままだ、聞いてくれるか?』

 交渉の時に言われた言葉が、脳裏をよぎる。

 あ、あんな言い方されたら……ダメだとは言えない。

 それに私も新さんと隣は嬉しいから……断る理由もなかった。

 そして今、私は新さんのお部屋にお邪魔している。

 私が笑顔でお礼を言うと、新さんも微笑んで頭を撫でてくれた。

「いや、むしろ少ししか手伝う事しかできなくて悪い。」

「いえっ……!新さんにはたくさん手伝ってもらって、感謝してもしきれないです。」