首を左右に振って、申し訳ない事を一生懸命に伝える。

 なのに新さんは、ふっと微笑んで言い聞かせるようにこう言った。

「神菜がそう思う必要はない。俺がしたくてしている事だし、神菜が申し訳なく思っていても俺はそうするつもりだった。お前は、何も気にせずに俺の隣にいてくれればいい。」

 あらた、さん……。

 私に気を遣わせないような言い回しをして、安心させてくれる新さん。

 この人は……本当に、どこまで優しいんだろう。

 底なしだと断言できるほど、新さんは優しすぎるし甘すぎる。

 でも、新さんがここまで言ってくれるって事は……甘えても、いいのかな。

 新さんは私の意見を尊重して、したい事をさせてくれる。

 自分のことを気にせず、私に優しく接してくれる。

 そんな新さんがこう言うって事は、入寮したほうが良いって事だ。

 本当は、申し訳なくて甘える資格なんてないと思っている。

 だけど、私は……Anarchy寮に、入寮したいっ……。

 寮に入れば、新さんといる時間だって増える。新さんの負担だって、減らせるはずだ。