最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 前々から政府には、あんまり良くない噂が立っていた。

 人体実験、黒魔術や殺戮魔術の研究……そんな噂がある。

 私は詳しくは知らないから、細かい事は何一つ分からない。

 だけど絶対、私も何かの実験台にされる事だけは確信できた。

 早く、ここから逃げないと……っ。

 急いで理事長室の扉に手をかけ、ガチャガチャとドアノブを回す。

 それなのに、ドアはびくともしない。

 まさかこれも、お偉いさんの策略……?

 呑気に考えている場合じゃないのは分かっているけど、これ以上どうして逃げて良いか分からない。

「大人しく政府の人間になってればいいものを。鈴香もいるというのに、なんと馬鹿な事をしているんだ。」

 ……どうし、たら。

 ドアは動かない、魔術がかけられているせいでまともに動けない。

 こんな絶望的な状況の中、私はどうすればいい?

「捕らえろ。」

 ――諦めるしか、ないのかな。

「……っ!?」

 でもその瞬間に目の前の扉が開いて、ある人にぎゅっと抱き寄せられる。