最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 初めて会った時、神菜はそう言って可憐に微笑んでくれた。

 セミロングで薄桃色と白の髪をはためさせながら、にっこりと。

 だけどその時は、まだどうとも思ってなかった。

 確かに見た目は可愛いが、中身が最悪なら関わる筋合いはない。

 そんな事を思いながら、父さんの計らいで神菜と二人きりになってしまった。

 施設の中庭を二人で歩いたけど、僕は自分から話そうとはしなかった。

 何が好きで、こんな人間と一緒にいなければならないのか。

 悪態を吐きながら、無邪気にはしゃいでいる神菜を横目で眺める。

 道端にある小さな花に見惚れ、大きな快晴を笑顔で見つめている神菜。

『創さん、私、あなたみたいな人と関わるなんてなかったので嬉しいです。来てくれてありがとうございますっ!』

 神菜の言葉は、今でも一言一句でも忘れない。

 僕はその瞬間に呆気なく、恋に落ちてしまったから。

 人間なんてって思ってたけれど、神菜をどうにかして僕のものにしたい。

 ……僕だけの、ものに。

 誰の目にも触れないように、他人が知らないところへと神菜を閉じ込めてしまいたい。