最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 私はその優しさに、温かさに、どれほど救われてきたか数え切れない。

 本当に新さんに出会えて、心の底から良かったって思っている。

 距離を取ろうと思って離れたのに、新さんが私を抱きしめてくれる。

 新さんの腕の中は温かくて落ち着けて、安心できる場所。

 もう少し、こうしていたい……。

 ぼんやりと考えながら、新さんの言葉に耳を傾け続ける。

「変装だって神菜の好きにすればいいんだ。今まで通り隠したいのなら変装をして隠せばいい。俺たちもできる限りの護衛はするから、安心してくれ。」

「ふふっ、ありがとうございます。」

 ……だけど、変装の事についてはもう決めた。

「私、もう正体を隠すのはやめます。」

 はっきりとそう口にし、心許ない笑顔を浮かべてみせる。

 あの時もう生徒さんたちに正体はバレてしまったし、今更隠そうとしても余計にややこしくなりそう。

 だからもう、私は“元宮神菜”として生きようと思う。

「そうか。神菜がそれでいいのなら、俺は何も言わない。」

 私がそう言うと、新さんはそんな返事をしてくれた。