新さん、私のこと好きでいてくれたんだ……っ。

 まず一番最初にそんな気持ちが込みあがってきて、心臓が締め付けられる。

 ぎゅうっと強く抱きしめられて、私も弱い力で抱きしめ返す。

 新さんの体温、やっぱり落ち着くなぁ……。

 温かくて、安心できる腕の中でそう思う。

 だけど新さんの言う通り、夢みたい……。

 人を好きになるとは思っていなかったから、尚更思った。

 その時、新さんが心配したように声をかけてくれた。

「今日の事は聞かない。もう帰ろう。」

「……でも、私が暴走したから……みんなに謝らないと……。」

 謝って済む事だとは、思ってない。

 だけどこのままにはできなかった。私がした事なんだから、自分で終わらせないといけない。

 本当は、怖いけど……。

 今日の出来事で皆に嫌われたら、幻滅されたらどうしようって思ってしまっている。

 みんなは人生で初めてのお友達だから、余計にそう思った。

 いくらみんなが優しいからって、流石に嫌われたよね……。

 暴走だとはいえ、大騒動を起こした私を嫌わないでって言うほうが難しい。