新さんの姿が視界いっぱいに広がり、たくさんの涙を零す。

 新さん、新さんっ……!

 自分の気持ちに追いつけずに、ぎゅっと新さんに抱き着く。

 その瞬間に周りの魔力はなくなり、真っ黒から解放される。

「新さんっ……!」

 人目を気にせず縋り、子供みたいに泣きじゃくる。

 そんな私を見た新さんは、私を優しく抱き上げてくれた。

 そのままの状態でテレポートを発動させ、ある場所に連れて行ってくれる。

 何が起きているのか分からない私は抱き上げられたまま、瞬きを何度もした。

 ここは……Anarchy室?

 人目がなくなった事を感じ、ほっと息を吐いて胸を撫でおろす。

 はぁ……こわ、かった。

 魔力を暴走させた自分にも怖かったし、みんなの視線も正直……怖いと思ってしまった。

 新さんはソファに私を下ろしてくれて、優しい力で抱きしめてくれる。

「すぐに来れなくて悪かった……っ。」

 直後新さんの苦しそうな声が耳の傍で聞こえ、罪悪感で押しつぶされそうになる。

 謝るのは、私のほうだ……。