最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 そんなの、死ぬより嫌……っ!

 でももう……ダメかも、しれない……。

 最期に、新さんにぎゅって……してもらいたかったなぁ……。

「あらた、さん……っ。」

 届かない声を零し、ぎゅっと強く目を瞑る。

 力が入らないから、倒れちゃう……。

 痛いだろうなぁ……と諦めかけた、時だった。

「――神菜、遅くなって悪い……っ。」

「あ、らたさん……?」

 温かい体温に触れ、びくっと大きく肩を揺らしてしまった。

 新さんの声、聞こえた……。

 幻聴かもしれない……そう思ってゆっくりと目を開ける。

 ……っ!

 新さん、だ……。

 信じてなかった私の視界に映った人は――大好きで求めていた、新さんだった。