最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 だからもう……過去を掘り返さないで。

『もしかして、神菜って過去に――』

 風羽さんに言われた言葉が走馬灯のように走り去り、無意識に胸の辺りを押さえる。

 い、痛い……っ。

 過去の事を言われる事が、思い出される事がこんなに怖いものだったなんて……。

 よく今までの自分は無事でいられたな……と思う。

 ……でもそろそろ、私も限界だ。

 過去の記憶を全て見てしまった後には、私の体力は底を尽きていた。

 それなのに魔力は暴走を止めてくれないから、ここで死んじゃうんだと……嫌でも自覚する。

 風羽さんにいじめられた時とはまた違った恐怖に苛まれて、じわっと涙が滲む。

 死ぬんじゃないかと思う事は、もちろん怖い。

 できる事なら、死にたくない。

 だけど、それよりももっと怖いのは……。

 ――新さんと、一生会えなくなるという事。

 私の暴走が収まったら、私は強制的に政府へと送り返されるだろう。

 この学園に立ち入ることは、金輪際ないと思っている。

 だからもう、確実に新さんとは会えなくなる。