体、熱い……。

 私の体の中に魔力が溢れ返って、耐えきれなくて周りに溢れ出る魔力。

 そして今……“暴走”をしてしまっている。

 私の体は魔力が必要以上になると、こうやって勝手に魔力が暴れてしまう。

 暴走っていつぶり、だっけ……。

 ぼんやり働かない頭で考え、意識をどこかに沈める。

 否応なしに薄くなっていく意識の中で、私は半ば諦めの気持ちが芽生えていた。

 私、今度こそ死んじゃうかも……。

 そう思いながらも結局最後まで抵抗できず、意識を手放した。



 ……頭、痛い。

 まだ魔力に体を乗っ取られているのか、周りは真っ暗のまま。

 当たり前だけど、止めてくれる人なんかいない。

 ……っ、痛っ。

 その中で私の頭の中に流れてきた映像に、思わず目を背けたくなった。

「嫌っ……思い出したくないっ……!」

 昔の記憶が流れてきて、一生懸命拒否をする。

 もうあの時の事は正直、思い出したくない。

 そう思っていても勝手に流れてきて、理解させようとしてくる。

 やめて、もう思い出したくない。

 私はもう、辛い思いをしたくないのに……っ。