最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

「このままだとあいつ、死ぬぞ……っ。」

 ふり絞ったような声色で言った小鳥遊に、僕もキッと下唇を噛む。

 小鳥遊お得意の鑑定だから、嘘じゃないはず。

 嘘を吐くとも考えにくいし、何よりこの顔が本当だと物語っている。

 このまま行くと多分先輩は、魔力に体を乗っ取られる可能性が出てくる。

 それか魔力がとめどなく上昇していっているから、先輩の体が耐えられないかもしれない。

 そうなれば先輩は、本当に……。

 嫌な方向ばかりに考えが働き、届きもしない声を心の中で叫んだ。

 どうすれば先輩を、元に戻すことができるの……?