最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 頭が理解を拒んでいるように、目の前の状況についていってない。

 慌てて先輩のほうを見ると、やっぱり冷たい視線を向けながら、虚ろに遠くを見つめていた。

 でも僕にはその先輩に、どことなく既視感を覚えた。

「なぁ形野、これって……」

「操られてるよ、これ。魔力に、支配されてる。」

 小鳥遊に声をかけられ、答えたくないと思いながらも口にする。

 小鳥遊は鑑定能力を持っているから、きっと分かっているはず。

 それでも僕に聞いてきたって事は、自信を持てなかったのかもしれない。

 それか……信じたくないのかも。

 先輩がこんな状態になってるって、真に受けたくないのかもと悟る。

 だけど僕には、真実を伝える他なかった。

 今先輩は、多すぎる魔力に体を操られている。乗っ取られているって表現しても良い。

 だから先輩の意思とは関係なしに、攻撃してきていると考えられた。

 でも攻撃回数はさっきの一回だけで、今は先輩が頑張って抵抗している。

 頭を抱えて魔力に反抗している先輩を見て、「何とかしないと。」という使命感に駆られる。