最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 もしかして風羽さんは、先輩が元宮神菜だって知ってたんじゃないかな?

 そんな考えが頭の中に浮かび、うんうんと一人で頷く。

 風羽さんのことだから、ここに元宮神菜がいたら発狂するはず。

 発狂まではいかなくても、もっと過剰な反応をすると思うから……多分知ってたんだ。

 どういう経緯で知ったのかまでは分からないけど、ひとまずこれで安心……。

「待て……っ、はっ?」

 ほっと安堵の息を吐こうとしたその時、近くから小鳥遊の狼狽えた声が聞こえた。

 驚いたようにも焦ったようにも慌てたようにも聞こえ、僕は一瞬焦った。

 小鳥遊がそう声を上げるのは珍しすぎる。

 ……もしかしてまた、良からぬ事が起きるの?

 そんな不吉な事が脳裏によぎった瞬間、先輩はその場に崩れ落ちた。

 力が抜けたような感じで座り込み、体の節々をしきりに触っている。

「……な、なに、これ……っ。」

 焦った先輩の声が遠くながらもここまで届き、僕は大きく目を見開いた。

 ……待ってよ、またなの……?

 先輩が声を上げたと同時に黒い霧のようなものが現れ、先輩をすっぽりと包み込む。