最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 何があって……って。

「晴れてる……。」

 観心の視線を辿り、さっきまで殺戮魔術があった場所を凝視する。

 そこには真っ黒い渦はなくなっていて、先輩だけが立っていた。

 もしかして……殺戮魔術を消した?

 まさかと思いながらも、先輩のほうをおぼろげに見つめる。

 涼しい顔をしているようにも、ほっとしているようにも見えるから、どうなのかは分からない。

 だけど周りはお構いなしに、歓声を上げていた。

「やっぱり元宮神菜かっけー!」

「これならあたしたちの族長が探してるのも分かるわ~。」

「あんな完璧な人間、欲しがらない奴のほうがいないだろ!」

 先輩へのたくさんの声が聞こえ、鬱陶しいと思う。

 今まで先輩の見た目しか見てこなかったのに……掌返しが過ぎる。

 まぁ、僕が言えたことじゃないけど。

 それでも先輩が無事で……本当に、本当に良かった。

 死ぬかもしれないと覚悟していたから、無傷な先輩を見て涙が零れそうなほどに安心した。

「まさかおりちゃんが、元宮神菜だったとは……。」