最強さんは魔術少女を溺愛したい。⑤ ~最強さんの最大級溺愛は留まらない~

 「誰だ?」そういう声も聞こえてきて、一斉に視線が中央棟に移動する。

 僕もつられて、視線を移して中央棟を見てみる。

 え……?

「先輩……?」

 殺戮魔術の前に立って、凛々しい立ち姿をしている人物。

 その人物に、僕は戦慄にも似た何かを感じた。

「何でおりちゃんが……?どういう事……?」

 成生さんも状況を理解していないようで、呆気に取られている。

 僕も目の前に突きつきられた現状を、飲み込みたくなかった。

 やめて、先輩……っ。

 何をするのか分からないけど、良くない事が起こるのは断言できた。

 先輩、今すぐ降りてよ……。

 悲痛な叫びが、心の中で木霊する。

 でも僕は……更に衝撃的な事実を見せられる事になった。

「……元宮、神菜だ……。」

 誰が言ったのかは分からない声が、静かな周りに聞こえる。

 それが引き金となり、辺りのざわめきは一気に元に戻った。

「どういう事だよ!元宮神菜が何でここに……!」

「なぁヤバいって!俺ら元宮神菜をいじめてたって事になるよな……勘当される……!」