小鳥遊はかろうじて近くにいるけど、神々の姿は見えない。

 戌待や夜目は獣族だから特別な能力はなく、いろんな場所を駆け巡っている。

 観心はさとり族の能力で今どんな状況か、観察はしてくれているらしい。

 でも一向に、状況が進展することはない。

 むしろ……悪化している気がする。

 さっきより風は強くなっているし、もうそろそろ僕も魔力が切れる。

 どうしたら、いいんだろう。

「皐月!めいそろそろ疲れたっ……。眠たい……。」

 その時、めいが辛そうな声を上げて僕の肩に乗った。

 僕は魔力を使うとき、今みたいにめいを通して魔術を使っている。

 だからめいにも、相当な負担をかけてしまった。

「ごめんな、めい。休んでて。」

 僕はめいにそう声をかけ、そっと頭を撫でる。

 だけどこうなれば、僕には手出しができない。

 本当に今は、人形遣いだって種族を恨みたくなる……。

 めい以外の人形は信用ならなかったから、眷属にしていない。

 こんな時に仇になるとは、思ってなかった。