「……何だ、あれ……?」

 そんな風羽さんの声を聞いてから、今の状況へと至っている。

 何、これ……。

 目の前に広がっている光景に、僕は動く事ができなかった。

 大きな竜巻みたいなものが渦巻いていて、息を呑むほど恐ろしい。

 今は風羽さんや生徒会長たちが何とかしているけど、それもいつまで持つか分からない。

 僕は人形遣いだから、皆さんのサポートに回る事しかできない。

 こういう時、自分の能力がもどかしい。

 魔力を持っているとはいえ、僕のものは風羽さんたちよりも小さくて威力もない。

 僕が幹部に入っている理由なんて分からないけど、今は自分にできる事をしよう。

「あっ!あそこにZenithと生徒会が集まってるよ!」

 時々そんな声も聞こえてきていて、僕はうんざりしてしまっていた。

 見世物じゃない。これは命懸けな戦闘なんだ。

 下手すれば、世界もろとも崩壊が始まってしまう。

 そうなる前に僕たちが、真っ先に止めないと。

 というか、Anarchyの奴らはどこ行ったんだよ。